素材・デザイン・・・これは、WW2時に米軍が使用していたガスマスクを収納するためのバッグでしたが、こと有名になったのが70年代初頭、伊丹十三が伝説のTV番組『遠くへ行きたい』の企画を受けた際、それまで身につけていた高級輸入品をかなぐり捨てて、アメ横に行き、サープラスもの(軍放出品)で全身をかため取材の旅へ出かけた。その時特に気にいっていたのがこのガスマスクバックで本人はそのことは知らず、ズックのバックと呼んでカメラ、フィルム、メモ帳、筆記用具を入れ、「大きさがちょうどいいんだよねー」と言いながらご機嫌に使っている動画からその頃を知ることができる。今回はそのズックのバックの伊丹所有同年モデルの小林私物のオリジナルから型をおこし、蓋部分はデュピュイ社のバーキンカーフ、袋部分はシャネルツイードと、伊丹十三のハイブラからサープラスの流れの逆をいくバックを作ってみました。ズックのバッグならぬサントノーレバッグに・・・。